「J-REIT」と「みんなで大家さん」には共通点が多く、みんなで大家さんはJ-REITの一種とみなしている方もいますが、実際にはかなり違います。
同じようなものと思っていては選択を誤ってしまうかもしれません。
ここでは、J-REITとみんなで大家さんを比較し、違いについて解説します。
まずは、J-REITとみんなで大家さんについてのおさらいです。
J-REITは一般の投資家からお金を集めて、住宅やビル、商業施設、ホテルといった不動産に投資を行い、そこで得た賃料収入を投資家に分配するというもの。税引前利益のほぼすべてが投資家に分配されるため、高利回りなのが魅力で、面倒な不動産の管理、運営の手間もありません。J-REITは証券取引所に上場している不動産投資信託なので、購入や売却は常に可能です。
みんなで大家さんはその名の通り、たくさんの投資家が出資し、共同で不動産のオーナーになって賃料を分配するものです。J-REITと同じく不動産を管理・運営する手間がなく、賃料収入のため比較的安定感があります。
両者の概要について確認したところで、今度は違いについて見ていきましょう。
証券取引所に上場しているということは、購入、売却がいつでもできますが、株式と同じように、市場のバランスに影響を受けやすい商品といえます。一方、みんなで大家さんは事業者である都市綜研インベストバンク株式会社に譲渡することですぐに現金化できます。
J-REITの投資単位は20~65万円ですが、みんなで大家さんは100万円からになります。
みんなで大家さんでも複数の物件に投資はできますが、100万円単位での出資であるため、20万円から投資できるJ-REITのようにはいきません。しかし、分散投資には不動産を見極める目が必要です。分散させることによって一点集中のリスクを避けるわけですが、そもそも見極める段階でリスクが発生するともいえます。
J-REITの想定利回りは銘柄によって異なりますが、おおよそ4%~8.5%。みんなで大家さんの想定利回りは5%~7.5%です。
想定利回りが大きければ、それだけ大きなリスクがあるのは通常仕方がないこと。J-REITでも元本割れした銘柄もあり、やはり自分で良い不動産を選ぶ目は不可欠です。
しかし、みんなで大家さんは販売を開始した平成19年以来、元本割れはないことはもちろんのこと、想定利回りを下回った商品は一切ありません。
J-REITでは銘柄によって大きな利回りが期待できますが、元本割れになることもあり得ますので、不動産に対する鑑識眼が必要です。逆に、不動産に詳しければチャンスも大きいといえますので、不動産に対する十分な知識がある方はJ-REITで大きな利益を得ることも可能でしょう。また、J-REITは20万円から投資可能なため、資金があまりない場合も検討の余地があります。
みんなで大家さんの最大の魅力は、販売開始以来、想定利回りを下回った商品がないという事実です。今のところ、どの商品を買っても高い利回りが期待できるといえますので、不動産についての知識がなくても安全に運用できます。
例えば教育資金のための100万円があるなら、定期預金や学資保険の代わりにみんなで大家さんでの運用も選択肢としてありだといえるでしょう。
似ているようで違うJ-REITとみんなで大家さん。それぞれの特徴を把握して、自分に合ったものを選択しましょう。