通常日本語では、リスクと言えばただ危ないこと、危険を意味しますが、「ピンチはチャンス」と言うように、投資におけるリスクは大きな利益を望める契機であるとも言えます。
投資において、リスクを知ることは欠かせないことなのです。
ここでは、投資におけるリスクにはどんなものがあるのか、リスクを計るのに最適な「標準偏差」について解説します。
まずは基礎知識として、投資におけるリスクを確認しましょう。投資に大きな影響を与えるリスクには以下の5つがあります。
取引が行われている間、金融商品は常に価格が変動し、大きく値上がりすることもあればその逆もあります。
金融商品によっては極端に取引量が少ないため、いざ現金化しようとしてもなかなかできない場合があります。
円で海外の金融商品を購入した場合、その後、極端に円高になってしまうとその商品の価値は下がってしまいます。もちろん、逆に円安になれば価値は上がります。このリスクは為替ヘッジによって軽減されますが、為替ヘッジには手数料が必要です。
投資先の経営が悪化したり、倒産したりすれば、元本を回収できない状態に陥る可能性があります。
ある国に投資を行なった後、その国で戦争が起きたり、政情が不安定になったりしたとき、その国の通貨や株の価値が極端に変動することがあります。特に新興国ではこのリスクが高いので注意が必要です。
そもそも標準偏差とは、データのばらつきの程度を表す値のことで、統計学などでもよく使われるものです。ここでは詳細は省きますが、標準偏差は数字で投資リスクの可能性を示すことができます。
例えば10点と100点をとった生徒がいると平均点は55点ですが、この場合は平均が55点だから、あなたもきっと55点とるでしょうとは言えません。投資でも平均で分かるのはあくまで平均であり、実際にいくら儲かるか、損するかを予測することはできないのです。
標準偏差値の場合、年間の平均リターンが〇%と分かるだけではありません。過去データからリスクのばらつきを踏まえて、投資の結果がどうなるのか幅広く可能性が見通せます。
具体的には、1年間の平均リターンが8%で標準偏差が15%なら、「利益が最高になる場合は8+15で、23%、最低になる場合は、8-15で-7%」となるでしょう。さらに、標準偏差で収まる確率も出ますので、そのパーセンテージが90%以上なら、判断材料としてかなり信用度が高いと言えます。
標準偏差で投資リスクを判断するメリットには以下の2つが挙げられます。
標準偏差値を利用することで、プラス・マイナスの変動幅が明確に分かるので、自分の資金状況に合った投資を選びやすくなります。
標準偏差の考えでも分かるように、リスクとは損をする可能性というばかりではなく、得をする可能性の大きさともとれますが、リスクが大きすぎるものばかりでは破綻することも考えられます。標準偏差によってそうした危険性を避けやすくなるのです。 標準偏差を活用することで投資の見通しが立ちやすくなり、合理的に投資を進めやすくなります。
投資を始める際は、基本として必ず確認しておきたいですね。