ゼロ金利時代でも大きなリターンを期待できるなどの理由で新興国投資が注目を集めています。魅力的な資産運用方法に思えますがデメリットはないのでしょうか。このページでは、新興国投資の概要を説明するとともに押さえておきたいメリット・デメリットを紹介しています。検討中の方は確認しておきましょう。
新興国へ投資することを新興国投資といいます。新興国とは「先進国に比べると経済水準は低いが特定の条件を満たすと大きな経済成長を遂げると考えられている国」です。新興国グループとして、BRICs、VISTA、ネクスト11などが挙げられます。
BRICs:ブラジル・ロシア・インド・中国
VISTA:ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン
ネクスト11:ベトナム・インドネシア・フィリピン・パキスタン・バングラディッシュ・イラン・トルコ・エジプト・ナイジェリア・メキシコ・韓国
新興国投資のメリットは、大きなリターンを期待できることです。先進国に比べ経済水準が低い新興国は、産業構造の転換が進むことなどで大きく成長すると予想できます。国の成長率は投資収益率と深い関係があるので、新興国投資は大きなリターンを期待できると考えられるのです。また、新興国投資には、資産を分散投資しやすいメリットもあります。分散投資とは、複数の投資先に投資することです。異なる資産に投資することで、安定した運用を目指せます。大きなリターンを期待できる点とリスクを分散できる点が、新興国投資の魅力です。
リターンと同じくリスクが大きい点も新興国投資の特徴として挙げられます。リスクの一例として挙げられるのが、流動性リスクです。先進国に比べると市場規模が小さいため、売りたい価格や買いたい価格で取引できず損失を被ることがあります。また、市場規模が小さいので価格変動幅は大きくなりがちです。リターンと同じく損失も大きくなりやすい点には気をつけましょう。
債権に投資する場合は信用リスクにも注意が必要です。信用リスクとは、元本や利息の支払いが遅れたり、その一部または全部が支払われないリスクです。基本的に、信用リスクが高い債券ほど、利回りは高く、債券価格は安くなります。大きなリターンを期待できる新興国の債券は信用リスクが高い可能性があります。信用リスクの目安として利用できるのが格付けです。「BBB」以上が投資適格債とされているので、債券へ投資する人はスタンダードプアーズやムーディーズが発表している格付けをチェックするとよいかもしれません。
以上のほかにも、新興国投資には為替レートの変動により影響を受ける為替リスクや政治・経済の変動により影響を受けるカントリーリスクなどが潜みます。先進国投資に比べるとハイリスク・ハイリターンな投資です。