MARS投資

MRIインターナショナルが起こしたMRAS投資による詐欺事件について説明しています。

聞きなれないMARS投資とは?

日本で聞き馴染みのないMARSとは診療報酬請求債権のこと。

公的な健康保険制度がないアメリカでは、国民の半分近くが民間の保険会社と契約を結んでおり、当然、一人ひとり契約している保険会社は違います。

病院が請求する診療報酬も、保険制度できっちり決められている日本とは違い、アメリカでは病院側がある程度自由に決められます。

請求書が保険会社に送られてすんなり支払われればいいのですが、多くの保険会社が支払いを渋ります。そのため、病院が受け取れるのは保険会社に請求した金額の3割程度。

保険会社の立場が圧倒的に強く、どの病院も多少の差はあれど、未払いの治療費を抱えており、病院の経営を圧迫しているのです。

そこで出てくるのがMARS投資。診療報酬が回収できないことで診療請求書自体が債権として扱われるというバックグラウンドがあるために、成り立っているのです。

MRIインターナショナルの問題点

MARS投資を日本で行っていたのがMRIインターナショナルというアメリカの法人。1998年から記者会見や有名人をつかった広告など華々しく出資者を募る活動を始めました。

円建てとドル建てで利率が同じであったり、アメリカでは販売せず、現地法人のない日本でのみの販売、出資法違反となる”元本保証”の触れ込みなど、売り出し当初から疑問を持つ人も多かったようです。

大手メディアに広告が掲載されたこともあり、1,300億円もの資金を集めたMRI社。しかし、2013年4月にはその資金を運用せず、関東財務局への届け出も虚偽の内容を提出していたことが明るみにでます。

でたらめな経営は次々に発覚し、日本国内では181億円あると届けられていた資本金が、アメリカでは0円の赤字会社として申告されていたこともわかっています。

さらに日本支店の幹部やその親族が、1億円近い投資をしていたことも発覚。日本の幹部社員でさえ、運用の実態がわかっていなかったことの現れでしょう。

被害者の救済は

2013年に詐欺事件に強い弁護士が団長を勤める被害弁護団が結成されましたが、米国法人ということもあり訴訟や調査は難航。

被害者救済の目処は立っておらず、1人あたりの出資額が大きいために、資金損失を苦に自殺した人まで出てしまいました。

2014年6月の時点で公式ドメインが消滅しています。

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