かぼちゃの馬車

有名女性タレントを起用したCMなどで知名度を高めていたかぼちゃの馬車。2014年7月期に8億5千万円だった年間売上高は、わずか2年半後の2017年3月期に316億円まで拡大します。順調に事業を拡大させているものと思われていましたが、1年後の2018年に破綻します。なぜ、かぼちゃの馬車は破綻したのでしょうか。

全国にシェアハウスを展開したかぼちゃの馬車

「かぼちゃの馬車」とは、東京を中心に展開されていた女性専用シェアハウスのこと。かぼちゃの馬車を展開していたのは株式会社スマートデイズです。ただし、自社でシェアハウス物件を展開していたわけではありません。

かぼちゃの馬車のビジネスモデル

株式会社スマートデイズが行っていたのは、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」の建築・販売・管理のみ。シェハウスのオーナーは、株式会社スマートデイズから物件を購入した投資家です。

株式会社スマートデイズは、物件を購入したオーナーとサブリース契約を結びます。サブリース契約とは、サブリース会社が物件を一括借り上げして入居者に転貸借する契約のこと。サブリース会社は入居者から賃料を受け取り、オーナーはサブリース会社からリース料金を受け取ります。ポイントは、空室の有無にかかわらず一定期間、定額又は定率のリース料が支払われること。オーナーは空室のリスクなどを気にする必要がなくなります。

かぼちゃの馬車でリース料金を支払っていたのが、物件を建築・販売・管理していた株式会社スマートデイズです。同社は、オーナーに「頭金なしで投資でき、30年間家賃収入を保証」と謳っていたそうです。

かぼちゃの馬車に投資していたのは普通のサラリーマン

頭金なしで30年間もリース料金が保証されるのであれば、オーナーになりたいと思う方は多いはずです。実際に、オーナーになったのは普通のサラリーマンが中心といわれています。多くのオーナーは銀行から1億円前後の借り入れをして、スマートデイズからシェアハウスを購入しています。

毎月の返済額は数十万円から百万円程度に上りますが、30年間は安定したリース料金が得られるので返済には困りません。しかし実際は、2017年10月にリース料の減額が通知され、2018年1月に次月以降のリース料の支払いができなくなることが通知されます。つまり、予定していたリース料の支払いがなくなったのです。普通のサラリーマンに、毎月数十万円から百万円程度の返済を行えるわけもなく大きな社会問題となりました。

かぼちゃの馬車の誤算

株式会社スマートデイズがリース料を支払えなくなった理由は経営状態が思わしくなかったから。経営状態が悪化した理由の一つといわれているのが、かぼちゃの馬車の入居率が想定より低かったことです。かぼちゃの馬車の部屋数は急拡大しますが、入居率は計画より大幅に低い水準にとどまりました。

入居率が伸びなかった理由として、かぼちゃの馬車にリビングなどの共有部分がほとんどなかったことが挙げられています。共有部分での生活はシェアハウに住む醍醐味といえるので、この部分に魅力がないと入居率は伸びませんよね。

株式会社スマートデイズは、入居率が低くとどまった場合に備え入居者を提携先企業に派遣し紹介手数料を得るビジネスを検討していたようですがこちらもうまくはいかなかったようです。

以上の誤算などが重なり、株式会社スマートデイズの経営状態は悪化します。本来であれば、入居者から得た家賃でオーナーにリース料を支払うべきですが、経営状態が悪化してからは新規物件売却で得た資金をリース料の支払いに充てていたようです。つまり、自転車操業に陥っていました。

破産手続き開始決定を受けた株式会社スマートデイズ

経営が行き詰った株式会社スマートデイズは、2018年4月9日、東京地方裁判所に民事再生手続き開始の申し立てを行います。この申し立ては4月18日付で却下され、5月15日に破産手続きを開始することが決定しました。

株式会社スマートデイズの破産手続きは開始しても、オーナーが抱えるローンの支払いは停止しません。幸い、物件の所有者はオーナーなので他の会社とサブリース契約を結びなおすなど活用方法はありますが、それでも毎月数十万円から百万円程度を返済し続けることは大変です。ケースによっては売却も視野に入りますが、購入した金額で売却できるケースはほとんどないようです。

賃料収入が不払いになり損害を受けたとして株式会社スマートデイズ役員らに対する損害賠償を求めた訴訟も行われています。今後、どのような対応がなされるか注目が必要です。

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